道具のこと① 〜ごはん鍋
東京を離れるときに、だいぶモノを処分した。炊飯器もそのひとつで、その代わりにこいつを買った。鈴鹿山脈の連なる温泉地、三重県菰野町で作られた「かもしか道具店」のごはん鍋だ。萬古焼だそうで、耐熱性に優れているとか。
日本人のごはんへの思いは強いのだろうか。家電量販店に行くと、数えきれないくらいの炊飯器が売っていて、いかにごはんを美味しく炊くかに血道を上げている。とてもいいことだと思う。が、しかし、高い。この鍋も少々値が張るように見えるが、高級な炊飯器に比べればだいぶお得だと思う。
火を使ってごはんを炊くのは、面倒なようにも思えるけれど、ごはんを炊くこと自体が楽しい。かといって、そんなに複雑なことをするわけでもない。米を研ぐ、吸水させる、火をつける、沸騰したら弱火で5分、火を止めて20分蒸らす。以上である。
このままおひつとして食卓に出してもいいし、冷えたら鍋ごと電子レンジに入れることもできる。これは炊飯器にはできない芸当だ。megumにも書いていたけれど、先週末キリムの布を見に行って、100年前の絨毯とかを見ていると「機械は必ず壊れる」ということを学んだ。いいとか、悪いとかではなく、丁寧に使っていてもいつかは壊れるのが機械の宿命。鍋もいつかは壊れるのかもしれないが、炊飯器よりは長く使っていきたいと思っている。